ヒツジがGoogleを誘致した島? 今度はマイノリティ言語をDIYで可愛くPR
シープビュー360。
2016年7月、ノルウェー海と北大西洋に挟まれた18の島からなる群島、
フェロー諸島のDuritaさんは、愛する地をグーグルマップに載せたかった。
"The Faroe Islands may be rugged and remote but this collection of 18 islands
in the North Atlantic also provide some of the world’s most magical landscapes"
:「フェロー諸島は起伏も激しいし遠いかもしれないけど、ここには世界でも突出した
魅力的な絶景もあるんです」
"I gently placed a 360˚ camera, powered by a solar panel, on the back of a sheep
that would take photographs as the animal freely grazed the open hillsides"
:「丘の斜面でごはんの間に景色を撮影してもらおうと、ひつじの背中にソーラー電源
の360°カメラをそっとつけました」
( Petition: We Want Google Street View! - Visit Faroe Islands )
なんてこと…!
それから5匹のひつじカメラマンを雇い、程なくしてGoogle Map掲載を成し遂げた。
(末尾に、ひつじさんたちの英姿がみられる映像があります。)
視点がとってもかわいいPR
結構古い記事なので、ご存知の方もいたかもしれない。ひつじさんたちの働きによって
Google Mapに現れたフェロー諸島が、また何か面白いことをやっているらしい。
グーグル翻訳も対応してほしい!
2017年10月に書かれた記事を見つけた。
フェロー諸島は、Google翻訳の誘致活動をしているらしい。
( The Crowd-Sourced Faroe Islands Answer to Google Translate · Global Voices )
観光局と国営航空会社で翻訳サイトを作成してしまった。
ロゴはあえてGooge翻訳を意識しているのだけれど、このサイトとってもユニーク。
よく使う表現(やあまり使わない表現??)を唯一の公用語であるフェロー語で話した
短いビデオを掲載。
しかもこの映像、住民やフェロー諸島にルーツのある人たちがボランティアで投稿している。
(↓そのサイトの紹介ビデオ)
用意されているフレーズは、道の聞き方からデートのお誘いまで多種多様。
主には英語からのようだけれど、サイトで日本語モードを選択すると日本語訳もいくつか見られる。
←「ひつじを取って」ってどういうコト?
マイノリティ言語
景色もアイディアもとっても魅力的なフェロー諸島の人口は約5万人、フェロー語の話者は約7.5万人。
Googleさんも、一つの言語に対応するには時間とお金がかかる。
話者が少なければ新しい翻訳サービスの仕上がりをチェックする人の手も少ないし、
マイノリティ言語はどうしても後回しになってしまう。
一方で日本語話者は、情報源の量を売りにするstatistaによると約1億2800万人(18/2/25参照時点)。
話者数の確実な統計って難しいのだろうけれど。
英語⇆日本語でも、他の英語と言語体系が近かったり話者が多かったりする言語と
比べると自動翻訳の制度は高くないし、対応するウェブサイトや本も少ない。
(statista: • The most spoken languages worldwide | Statistic )
でも…!
こんなハイセンスなPRをして、たくさんのボランティアが賛同しているのだから、
報われてほしい限り。
少しづつでも、取り組みの認知度が上がっていくといいなぁ。
ひつじさんギャラリー
最後に、シープビュー360から、ひつじさんたちの活躍を見てみましょう。
実際のシープビュー
常に手前にふわふわのひつじさんが見えるのがポイント。
ひつじの捕まえ方
シープビュー作成の最難関ポイントは、カメラを取り返すこと。
※フェロー諸島は、デンマーク王国の一部ながら、独自の議会を持つ自治領です
( フェロー諸島 )