思い立ったらベトナム。ダナン。
早朝6:30、ダナン国際空港。
睡眠不足のせいか、裏起毛のスウェットを着ているというのに思ったほど暑くない。
とは言え、このまま移動したら後で暑くなって困るはず、とりあえずお手洗いで1枚脱ごう。
ロータリーの端にお手洗いを見つけ、中に入る。
掃除のお姉さんが何か言っている。振り向くと、こちらを見ているのか鏡を見ているのか。その場には2人きりだから…こちらなのか。
あろうことか、モップを握る手と反対の小指で、鼻をほじっている。
何だかわからないけれど、ちょっとこわい。
一旦、お手洗いを出よう。トレーナーを脱ぐだけなら、外でも良いだろう。
あの人、なんて言っていたんだろう。
両替に失敗
ベトナムでは、宝石店での両替が良いと聞く。
でも今回は、ホイアンがメインの旅だから、わざわざダナンでそこまでは行かない。
空港の両替店が並ぶ区域には、日本語で客引きをする店員たち。
レートが悪いといわれるダナン空港で、ベトナムドンに両替。
むむむ、確かに。
というか、フィーは無いことを最初に確認したのに、あのお姉さんなんか電卓に"0.95"て打ってたな。はて。
英語が通じなかったのかと思い、最終のレートも「こんなもんか」だったので承諾した。思えば、わざと騙されたのかしらん。不覚。
こんな失敗は初めてだ…。勉強代がかかった。
帰りはしっかり、ダナンで評判のゴールドショップで両替。
タクシーのドライバーさんは「もっと便利な両替所を教えてあげる」と言ってくれた。ありがたいのだけど、ごめんなさい。
今回は、損を避けにいく「本気の両替」だから。…フンスッ。
今度は本当に上手くいった。事前にネットで調べた当日レートから、全く損をしていない。
"Tiệm vàng Soạn Hà"、Googleの口コミを見たところ、日本円以外の通貨でも、レートは悪くない様子。
Yo!って…
街の様子がつかめるまでは、歩きの前にGrabタクシーで移動。
両替所の前で、タクシーを呼んでみる。
車が確定したので、ロータリーに出てその車番の迎えを待つ。
すると車道を挟んだ向こう側からYo! Yo!と聞こえてくる。
はじめは、ただ「朝から元気な人だな」と思っていたのだけど。
ふと見てみると、おやまあ。こちらに向かって叫んでいる。
呼んでいたのは、客待ちをしているタクシー運転手だった。
Yo!なんて言葉で、初めて呼ばれたYo…。
事前の予習で、ベトナムの"ぼられる" "すられる" "ひったくられる"を大変に恐れている筆者が、ミスターYoの車に乗るはずもなく。
タクシーはもう呼んだこと、彼の助けは不要なことを伝える。
その内に、予約したGrabタクシーと合流。
流しちゃったけど
ダナンを離れてから聞いたのだけど、近頃ダナンがアツいらしい。
日本で予習したサイトでは、ビーチはきれいだけど何もない工業地帯って言っていたというのに…!
まあ、自分が満足に回れたのだから良いや。
まず、ビーチがきれい。
筆者は海が見える町の出身なので、そんなにもの珍しくはなく、海岸沿いを走るタクシーの車窓から眺めただけなのだけど。
旅路、4度ほど眺めたその波は、なんだかもこもことしていて、どことなく観光地らしいエンタメ性を帯びている。(たぶん)
身軽にダナン観光をするには?
これも、出発前に調べていてわかったからよかったのだけど。
ダナンというのは、荷物を預けるのに苦労する街らしい。空港に手荷物預かり所やコインロッカーが無いと聞く。
(そもそもベトナムでは、今やコインが使用されていない)
ダナンに宿をとらなければ、荷物をどうするかはキモ。
空港内にある一軒のカフェで、荷物を預けられるという情報も見つけたのだけど、そこで荷物を預けるには、利用料を払う以外に、命の次に大切と言われるパスポートを預けなければならないらしい。
また、海外の旅行ブログで「荷物預かりサービスを提供中」と紹介されていた旅行会社に問い合わせるも、音信不通。
悩んだ末、筆者は、口コミから拾った情報を頼りに訪ねた、市街地のあるカフェに救われた。
地元の日本語学校が運営し、店員さんはそこの生徒さんたちだそう。
なるほど、入店から退店まで、流暢な日本語で接客してくれた。
ちょうどダナンに着いたのが朝だったので、揚げ春巻きとサイゴンコーヒーで朝ごはん。食べ方にちょっと迷ったけれど、おいしい。
店構えもauthenticに和風で、海外にいることを忘れてしまいそう。
店内にあったチラシによると、児童養護施設の支援もしているそうで。カフェではハンドクラフト品の販売も併せて行っている。
ごちそうさまの後、ネットの情報に半信半疑で、同時に申し訳なく思いながら、「荷物預かり、お願いできますか?」と聞いてみた。
ぐっ!と親指を立て、慣れた様子で嫌な顔一つせずに引き受けてくれた。
引取り時間を約束して、辺りの散策にのり出す。
横浜で開催されるという「ベトナム希望レストラン」も、是非いつか行ってみたい。
ありがとうございました。
アジアンテイストのステンドグラス
ダナンのランドマークと言えば。ピンク色の大聖堂を見に行こう。
空港からの車窓、先のカフェ周辺までの路をみるに、全体的に少し足場が悪いけど安全に歩けそう。
旅先ではできる限り、歩いて街並みを観たい、という想いがある。
20分くらい?歩いてダナン大聖堂に向かう。
横断歩道の手前、地元のおばさまが満面の笑みで話しかけてきた。
ベトナム語だから、何を言っているのかはわからない。物売りではないから、何かを売りつけられるようなことはないだろう。
英語で「ごめん、何言ってるかわかんないや」と言ってみる。
相手は、お構いなしに話し続け、腕を組んできた。
「あれ、これなんかヤバいやつかな」、「でも悪い空気は皆無…」
とか思っているうちに渡りきり、同時におばさまも、徹底して言葉通じぬ異邦人から離れ、どこかへ行ってしまった。
いったい、何だったのだろう…。
でも、横断歩道は現地の人と一緒に渡ると安心だな。感謝。
ダナン大聖堂までの道は、難しくない。でも、正面に立つまで到着
に気づかなかった。建物に囲まれた、街中の大聖堂。
「鶏協会」として親しまれるパステルピンクの姿は確かに可愛い。
まだ朝だというのに、中国からのツアー客や諸国の観光客でごった返した大聖堂。
映え。自撮りをする人が多い。
ピンク一色の正面とはうって変わって、歴史を感じさせる木目が見える側面は、アジアンフェイスの聖職者たち(?)を描いたステンドグラスと相まって、何だかいい感じ。
ちょうどミサが始まろうという時間で、中には入れなかったけれど、教会の周囲に点々と置かれている動物モチーフやノスタルジックなベンチ、謎の岩場など、信仰の無い筆者にも目に楽しい。
ダナンの洞窟は、よじ登る系。
そして、ダナンと言えばもう一つ、五行山。
ネットで観た写真がきれいで、是非行きたいと思っていた場所。
前の記事 ↓ のアイキャッチに使った写真は、その入り口でのもの。
大理石の洞窟と、寺院がある山なのだけど、観光スポットだからとなめてかかったのは間違いだった。
山はさほど高いものではなく、山を登るにも展望台に立つにも階段があるのだけど、どこもなかなか足場が悪い。チケット売り場に戻る頃には、少し膝が笑った。
洞窟の中がその最たるもの。中国からの観光客家族と道を譲り合い、互いに応援し合いながら登ったり降りたり。
個人的に、筋肉痛になるのが好きな(何かを体験した証、みたいで。)筆者は楽しんだ
けれど。
これから行かれる皆さま、注意してかかられよ。
一方、見ごたえはというと。
正直、洞窟や、展望台からの眺めは、写真から想像していたほどの見ごたえはなく。
西洋系のお客を連れたガイドさんも、お客さんに「いやーこの先はちょっと登ったり降りたりできるけど、特に見るもんはないよ」とかなんとか。人気の洞窟を素通りしていた。
個人的には、寺院・仏塔の美しさや、まったり気ままな寺院の飼い犬に目を奪われた。
ダナンの人の暮らし、とは
次の目的地に向かう前、時間が余ったので、ダナン博物館へ。
ここでは、昔々に現地の人の暮らしを支えた産業や、戦時中のこと、地域の生き物のことなど、ダナンの歴史・文化を学ぶことができる。
「時間が余ったら」なんて思っていた割に、満足に興味深かった。
記事が長くなってしまったので詳しいことは割愛するけれど、これからダナンに行く人には、是非すすめたい。
なんだか書きすぎてしまった。
ホイアンでのことは、また別の記事で。