"野鳥の会会長"の悪い遊び
同僚から「野鳥の会会長」と呼ばれている。
会社は駅至近。正面に森がある。
そこにペリカン風の大きな野鳥が引っ越してきて、2ヶ月ほどになる。
当社では、ちょっとした鳥ブームが巻き起こった。
ぱぱらっち
基本的に、会社でのなれ合いはいらないと思っている。
きっちり仕事をして、さっさと帰ろう。
ベターな職場環境にはコミュニケーションも大切だけれど、それで
いつまでも手が止まっているのなら考えた方がいい。
内容が他人のゴシップや悪口ならなおさら、非生産的なわけで。
世間はパパラッチであふれている。会社、教室、多分ご近所にも。
誰が得するのかしらん。誰が純粋な思いで楽しめるのかしらん。
そこへトツゼン珍妙な鳥が来たものだから…。
ペリカン・ヘルシー
平和的手段で、社内の話題をヘルシーに。
会えばいつも話しかけてくれる、すこぶる関係良好な同僚がいる。
彼女が愚痴を始める前に、ペリカンを差し込んでみた。
社内の話題置換作戦のはじまり。
野鳥の認知
「今日、木のてっぺん見ましたか⁈ペリカンみたいなの居ますよ!」
1週間、会う人会う人に、野鳥の種を撒く。
嬉々として野鳥速報を報じ続ける私は、同僚にどう見えたろう。笑
真面目なアホ
この運動と、群の拡大による鳴き声で、野鳥は十分に認知された。
「きやつらは、アオサギじゃなかろうかと思っているんですが、
○○さん、どうでしょう?」
「似ていると思ったら、サギはペリカン目なんですねぇ。」
「写真を見たスイスの友人は、コウノトリだと言っています!」
アホみたいな話を大真面目にやっているうち、輪が大きくなった。
まさかの大反響
結局、ペリカンは青鷺だった。一羽のアオサギにはじまり、家族が
来て、白いサギが来て、グレーの鳥も来た。
大所帯になったものだ。
一方、当社の野鳥の会。部署を超えるどころかグループ会社の
社員も入会(?)している。
大所帯になったものだ…。
始めて2週間ほどで、会話に私がいなくても鳥の話題で盛り上がる
ようになった。会社の外でも話しているようで、
「昨日、友達からサギのTV番組をやっていると聞いて観たんです。
サギの生態としてはですね…!」と、ある同僚は教えてくれた。
サギよ、よくぞ(小声)
相当数の鳥が住みついてしまった。
近隣住民はその鳴き声とニオイに生活を乱されていることだろう。
誠に遺憾、困ったことこの上ない。
でも、これはちょっとすごいことだとも思うわけで。
ふいに一社員が放った珍妙な野鳥の話題が全社を飛び回る。
一種の職場環境改善?とは言えないか。照。
誰も傷つかない、くだらない鳥話がみんなを笑わせる。
こういうの、好きだなぁ。